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黄:特別配信


2008年9月1日〜10月31日
10月29日(水)
item 2008年産ホップ
すでにあちこちのサイトでホール・ホップの販売が始まっていました2008年産のホップですが、いよいよペレットの販売も始まったようです。 これまでペレットタイプは2007年産のCascadeしかリストされていなかったPuterbaugh FarmsではCentennial、U.S.Golding、Vanguardが購入できるようになっています。 ドイツ産ホップもラインナップに加わっていますが現在のところまだ購入できないようです。 値段は相変わらず高い状態は続いているようで、1ポンド当たり$30である上にオーダーできる上限が1ポンドに制限されています。
一方Freshopsではまだペレットの項目は復活しておらず、本日現在ホールのみの販売のようです。
item モルトミル
酒市場ランドではモルトミルDXが再入荷していました。 また新規にコロナグレインミルも追加されています。
item EDME入荷
アドバンストブルーイングEDMEクラシックピルスナーが入荷したようです。
いつの間にか山葡萄の注文が終わっていました。 発送も10/22日に全て終了した模様です。
item 連休の予定
マイビア工房さとるが連休中の予定を掲載していました。 それによれば11月3日が休日のため11月1〜3日の注文分は4日の発送になるそうです。 連休中のしこみを考えている方はお早めに注文した方が良さそうです。
今さらですが2GBのSDカードが900円で売っていたので買ってみました。 D70で使ったところRAWで300枚以上撮れるんですね〜。 これまでの256MBはゴミになりそう。
10月20日(月)
item BYO 11月号
Brew Your Ownの11月号が届きました。 今回はビールタップを作る特集で、自宅用やクラブ用のKegeratorの作り方からタップの選び方までいくつかの記事が掲載されています。 またMaking Sakeの記事では英語による酒造りの用語集がなかなか良く書けているように思います。
以下Featuresから。
  • 2008 Hop Harvest Updates by Chris Colby
    The 2008 hop harvest is just wrapping up. How did it go? Find out how many new acres of hops got planted and how the growing season went.
  • Projects on Tap
    We dispense three great new projects and look at ghree Brutus builders.
    • Home Kegerator by Forrest Whitesiders
      Every homebrewer could use his or her own kegerator. A classic project.
    • Brutus 10 and Me
      Lonnie McAllister designed it. We published it and (many of ) you built it.
    • Club Kegerator by Tony Profera
      Meet Junior, the multi-tap portable bar built by the Carolina BrewMasters.
    • Rolling Kegerator by Kevin Mattie
      The nest time you go to a party, roll out the barrel...or at least the Corny kegs. Build this rolling kegerator with a small, on-board CO2 system.
  • Making Sake by Bob Taylor
    Grains, water, yeast...and koji? Learn the secrets of making sake (Japanese rice wine) and get your moto rising.
item White Labs and GABF 2008
White LabsのサイトにWhite Labs and GABF 2008という記事が掲載されていました。 これによれば先週行われたGABF2008で表彰された全222個のメダル(75カテゴリー+プロ・アマ・コンペ)のうち、同社のイーストを使って作られたビールは金が31、銀が36、銅が27のトータル94だったそうです。 同社のイーストは特にスペシャルティに強いようで、昨年に引き続きベルジャン関係のビールを含む6カテゴリーで金・銀・銅の全制覇を果たしたそうです。
イーストのシェアが判らないので94と言う数が多いか少ないかは何とも言えませんが、何となくWyeastの方がまだシェアが高いような気がするので、なかなか検討していると言って良いのではないかと思います。
芋煮会用に久々にケグ詰めしました。 年に数回しか使わないと思いますがジョッキーボックスが欲しくなってきました。
10月14日(火) 【体験リポート】
item ビールづくり体験教室〜その3〜

ランチ。これにメインディッシュのハンバーグとライスが付属していた。 ビールはスプリングバーレで作られているオリジナルビール。
13時を回ってようやくランチ。 ランチはちょっと離れたレストランビアポートに用意されていました。 このランチ代は参加費に含まれているので、余計に出費すると言うことはありません。 実習で一日遊べることを考えると非常にお得感があります。

ここでようやくビールが飲めますが、後半もあるので一杯だけす。 配られたビールはここのブルーパブで作られている「スプリングバレー」でした。 詳細な味は忘れましたが、モルティでちょっとだけアルコールが高く作られたビールでした。 そのアルコールのせいか、ここまで単に写真を撮っていただけなのに一杯で結構酔っぱらいました。
昼食後、講師の藤木氏が工場見学コースを案内してくれましたが、時間がなかったのでかなり足早に見学して終りでした。
(工場見学についてはまた機会があったら詳細にレポートしたいです)

我々が昼食&工場見学をしている最中もインストラクターの方がずっと我々のビールを見守っていてくれました。 戻ってきた時にはほとんど煮込みも終了していて、残りは冷却&イースト投入くらいの状態になっていました。 二番麦汁を取る場面は実際には見ていないのですが、でき上がりの量(今回は15リットル)くらいまで取ったようでした。 ビールの初期比重があらかじめ決まっている場合、大きく分けて、蒸発する量を考慮しあらかじめ多めに麦汁をとる方法と、一定量を取っておいて後で加水して比重を調整する方法の二種類が考えられますが、こちらの教室では後者を採用していました。 出来る麦汁にばらつきがあるので、後者の方が再現性が良いからではないかと勝手に推測しているのですが、真偽の程は確かではありません。

煮沸終了後まず麦汁の比重を測り、得られた値を元に加水量を決定します。 比重を測るために少量の麦汁を取り出し、銅製のポットに入れ、氷で冷却して測定温度まで冷却後比重計を使って比重を測ります。 測定の結果5リットルくらい(だったと思う)加水することになりました。 加水後、ヘラを使って麦汁をかき混ぜ、ワールプールにしました。 このあたりのやり方はホームブルーの教科書に書いてあるのと同じです。

麦汁の準備をしている最中に冷却の準備と、発酵容器の準備も行います。 まず麦汁冷却には写真にあるようなカウンター・フロー式の(実際には冷却水は“フロー”していないのでカウンター・フローと呼んで良いのか微妙)ワォートチラーを使いました。 我々が使った物は銅製の初期のタイプで、小さな銅コイルが二つ繋がっているタイプでしたが、これだと繋ぎ目が汚染の原因になるとのことで、徐々にステンレス製のシングルコイルのタイプに置き換えているとのことでした。 ステンレス製に変えたところで冷却能力に特に問題は無いとのことで、実際にいくつかのグループでは新タイプを使っていました。

このチラーでは大量の氷を使うことで10℃以下まで簡単に冷却できる能力を有しているのですが、“フロー”が無いために写真にあるようなヘラを使って手動でフローさせてやる必要があります。 実際にほとんど一人が掛かり切りとなってヘラを前後に動かして冷却していました。 大量の氷を必要とする点も考えると家庭ではなかなか使いにくいチラーだと思いました。

一方、発酵容器はポリカーボネートか何かで出来た密閉式の容器で、かなり使い込まれているようでだいぶくすんだ感じがしています。 ガラス製ではないので雑菌の汚染が心配だったので、どのように洗っているか聞いた所、ケグなどを洗う洗剤と消毒液および熱湯消毒で洗浄・消毒をしていて、物理的に擦るような洗浄はしていないとのことでした。 この手の容器はスクラッチ傷が致命的だと言うことは衆知のことだと思いますが、逆に考えるとスクラッチ傷を与えなければプラ容器でもかなり長いこと使えると言うことです。

煮上がったワォートを冷却して比重を測る。温度はデジタル温度計を使って測定。

目標の比重に下げるためにお湯を加える。

ワールプールは手動。

ワォートチラー。我々が使用したのは銅製のコイルが二つ繋がっている初期のバシージョン。 新しい物は大型のステンレスコイルひとつだけとなっている。

ポリカーボネートか何かでできた発酵容器。

チラーを通った後の温度は6℃以下にするよう指示された。
さて、チラーおよび発酵容器の準備も整い、ワールプールも良い感じで落ち着いてきたところでいよいよ冷却開始です。 こちらの教室では全てラガーを仕込むため、冷却温度はかなり低めの6℃以下。 本当に6℃以下である必要があるのかどうかはちょっと不明なのですが、余裕を持っての値ではないかと思います。 発酵容器の中に温度計センサーを入れ、ワォートの温度をモニターしながら冷却を開始しました。 ここでもチューブポンプを使って、一定の速度でワォートを送っていきます。 サイフォンを使うのに比べて、段差を作る必要がないのでかなりラクチンに送ることが出来、ますますチューブポンプが欲しくなってきました。

ケトルに入れた方のチューブはワォートの上澄みだけをうまく取れるように、表面から少し下のところに入れ、表面が下がるにつれ少しずつ垂らす量を増やして行くという方法を取っていました。 こうすることでホップやホットブレイクが混ざるのを最小限に抑えることが出来るようです。 ここで面白かったのは、チューブの固定にダブルクリップを使っているところです。 うまくチューブを固定することが出来て、非常に良いアイデアだと思いました。

液面が下がるにつれてキレイに山状になったホップカスが見えてきました。 チューブがホップカスを吸い込まないようにちょっと上のところで移送を終了したところ、目標量の15リットルよりも少し多めのワォートが取れました。 チューブを外して、イーストを投入。 イーストは“シアトルから購入した物”とのことなのでたぶんWyeast社製ではないかと思われます。 インストラクターの人に工場と同じ酵母は使わないのかと聞いた所「使わせてくれない」との答えでした。 さすがに大手らしく自社製酵母は流出させないようにしているようです。

イーストを投入後、エアレーションを行いました。 こちらでは金魚ポンプにエアフィルターを挟んで、ストーンで取り付け、エアレーションしています。 エアレーション時間は15分くらいだったと思いますが、忘れてしまいました。 教科書には酸化の原因となるのでイーストを投入した後では酸素を入れることは厳禁と言うのが通説だと思いますが、エアレーション時間が短いからか、発酵温度が低いからかは判りませんが、教科書のことはあまり気にしていないようです。

イースト投入で我々の仕事は全て終了となりました。 終了したグループからビールまたはソフトドリンクを飲みながらアンケートに答え、閉校式を待ちました。 全グループが揃ったところで閉校式が行われ、各グループの代表者に修了証書が手渡され、解散となりました。

発酵容器への移送が進むにつれホップやホットブレイクの山が見えてきた。

移送が終了したところでイースを投入。

閉校式。 各グループの代表に修了証書が手渡された。
閉校式が終わってから実習では見られない部分を少し案内してもらいました。

まず、ボトリングの機械ですが、さすがに少量過ぎてラインの機械を使うことは不可能なので地ビールメーカーなどが良く使っている手動のボトリング・マシーンを使っているとのことでした。 手動とは行ってもCO2充填〜ビール充填までは自動で、ビンを置いたり外したりするところだけが手動になっています。 これにでき上がったビールのケグを繋いで中ビンに瓶詰めして、さらに隣においてあるキャッパーで王冠をキャップします。 こちらはインストラクターの休憩室の様なところに置いてあり、通常は見られない様になっています。

続いて実習室の隣にある裏方の部屋にも案内してもらいました。 実習室の隣と言ってもそこは工場の一角で仕込が行われている時は非常に暑くなる場所だと言うことです。 通常の見学コースでからも見られる場所で、最後にビールの試飲をするカウンターのちょうど裏になります。 ここは実習を行うための下準備および実習後の発酵を行う所となっています。

ここで使われているミルは日本製の製粉機と言うことで「ミルトン号」という製品の様です。 写真を撮り忘れたのですが、粉砕状態はなかなか良く出来ていました。 日本でもこう言ったミルを作っていると言うのはちょっと驚きです。

最初のオリエンテーションで作るビールが決まると、インストラクターの方々がこの製粉機を使って仕込める状態にするそうです。 作るビールの原料はあらかじめ計り分けられてバケツに入れられてあり、バケツの中身をミルのホッパーに入れ、空になったバケツをミルの下に置き、挽かれたモルトを受けると手早く出来るように工夫されているとのことです。

発酵には厨房で使われる冷蔵庫を使用しているとのこと。 一部は実習室にも置いてありましたが、ほとんどの冷蔵庫はこの裏方の部屋に置いてあります。 この冷蔵庫は温度設定が出来るようになっており(ただし冷却のみ)温度管理も簡単に出来るようになっています。 これで発酵からラガーリングまで行うとのことです。 曜日ごとに使う冷蔵庫が決められており、4週間くらいで一回りするようになっているそうです。

この他にもここの教室独自のオリジナル・ガジェットを紹介してもらいました。 その中でも非常に印象に残っているのが、鍋のフタの開き加減を一定にする治具です。 コの字型のステンレスにボルトを付けただけのモノなのですが、これにより鍋のフタの開きが一定になり、蒸発量も一定になるという優れものとのことです。 ホームブルワーにも参考になりそうな工夫がたくさんあるので、機会があったらぜひ参加してみると良いと思います。
item スプリングバレー

レストランから見たブルーハウス。 さすがに見学している時間はなかった。
ビールづくり体験教室が終わった後で敷地内にあるブルーパブスプリングバレーに寄りました。 キリンの人が一緒だったのでブルワリーの中まで見学できるかと思ったのですが、さすがにそんな時間もなく、パブレストランで食事をしただけだったので大した情報は得られませんでした。 メニューにはここのオリジナルビールがいくつか掲載されていたのですが、訪問時にあったのは通年の「スプリングバレー」とシーズナルの「オクトーバーフェスト」の二種類でした。 「スプリングバレー」は昼に飲んだので「オクトーバーフェスト」と日光臭の代表の様に言われている「ハートランド」を飲んでみました。 以下、テイスティングログ。
  • オクトーバーフェスト
    色は薄いストロー色。 クリアで白いヘッド。 香りはほとんど感じられないくらい。 モルティで甘い。 口当たりは良く後味はスッキリしている。 オクトーバーフェストにしては軽い感じ。
  • ハートランド
    ストロー色で白いヘッド、クリア。 弱いがホップの香りがある。 モルティで結構甘味がある。 ホップのキャラクターは思ったほど強くないが後味に残る感じ。
久しぶりに燻製復活。 手始めに生ハムに挑戦。 さて出来は?
10月6日(月) 【体験リポート】
item ビールづくり体験教室〜その2〜

実習で使う器具。左からホットリカータンク、デコクション釜、マッシング/煮沸釜。
一時間ほどの講義が終わっていよいよ実習室に移動です。 実習室は一般の工場見学が終わって最後にビールが飲める所の奥にありました。 インストラクターの紹介の後、エプロンを渡されいよいよ実習開始です。 器具はデコクション・マッシングと言うことで鍋+コンロが3セット用意されていました。 コンロが乗せてある台もタイル張りの特別製で、これらは神戸のビールづくり体験教室で使われていたものだそうです。 これに加えて、透明なロイタータンおよび温度計等の細かい器具が各テーブルごとに用意されていました。 使う器具はケガをすることを避けてか、最後にワォートを取り分けるための容器を除いて全てプラスティックまたは金属製となっていました。
さて、いよいよ実習開始です。 まずはマッシング釜にお湯を張ります。 お湯はすでにマッシュイン(日本語では「麦下し」というらしい)の温度まで温められていて、我々の作業は単に測り取るだけです。 レシピ毎にお湯の量がきちんと決められていて、我々のレシピでは13リットルとなっていました。 この量だと麦芽:水が1:4弱となる計算です。 他のレシピもボック以外は全て13リットルとなっているそうで、唯一アルコール度の高いボックだけがマッシュイン時のお湯が14リットル必要としているそうです。 この量はたぶん麦芽:水=1:4となる量として決められているのではないかと思われます。 いつも使う器具で麦芽:水の量を決めておくことは、収率を一定にするためにも必要なことで、レシピ通りにビールを作る上でも大変重要なことでのようです。

マッシュインはすでに計量と粉砕まで行われた麦芽をマッシング釜に入れるだけで完了。 さすがに手作りなので全部を一気に入れるのかと思いきや、ヘラでかき混ぜながらで少しずつ入れました。 この方が全体的にうまく混ざって後の工程が楽です。 我々のレシピはピルスナーなので100%ピルスナー麦芽なのですが、三種類のピルスナー麦芽が1/3ずつ混ざっているとのことです。

マッシュイン後、プロテインレストを20分置きました。 この間50℃±1℃にキープするようにずっとかき回し続けました。 この後、レストの時は常に温度を設定温度±1℃にキープするようにマッシュをかき回し続けました。 この作業がどこまで効いてくるのかは未知数ですが、体験教室としては重要な作業ではないかと思います。

プロテインレストの終了後65℃でのスターチ・コンバージョンに入ります。 65℃まで上げるのに1℃/分で上げて行く点はホームブルーの教科書に書いてあるのと同じ。 この速度で上げていく理由は何なのかインストラクターの方に聞いてみましたが、工場でのレシピを参考にしていると言うこと以上のことは判りませんでした。 個人的な見解ではオーバーシュートを気にしているのではないかと思っているのですが、ハッキリしたことは判りません。 65℃で25分程レストしていよいよデコクションです。

マッシュから一部を取り出し、それを加熱・煮沸してもとのマッシュに戻す工程をデコクションと言うのは、このサイトの読者の方なら十分ご存知だと思います。 ホームブルーの教科書によればこの工程では「マッシュの濃い部分(麦芽の部分)を取り分け、加熱・煮沸する」と紹介されているのですが、体験教室では特に濃い部分と言うことは何も指示されず、単にマッシュの1/3程度を別のデコクション釜に移し、それを加熱・煮沸するだけでした。 これにはちょっと驚きましたが、工場でも特にやっていないと言うことなので気にする必要は無い点なのかも知れません。

35%のマッシュをデコクション釜に移し、それをまず70℃まで上げます。 ここで20分のレストを置いた後100℃まで加熱しました。 100℃まで上げる時の速度は2℃/分でコンロの最大火力で上げていきました。 100℃で5分間レストを置くのですが、100℃になった時点でコンロは消してしまいました。 これまで100℃でグツグツ煮込むものだと思っていたのでさらに驚きです。 こうした方が色的には薄いビールに仕上がりそうではありますが、本当にこんなのでデコクションの意味があるのかはちょっと疑問です。

デコクションの最中にもマッシング釜の温度は65℃に保つようずっと見張っていました。 デコクションをしながらもう一つの釜の温度をキープするのはさすがに複数の人でやらないと厳しいものがあります。

50℃のお湯13リットルを正確に取り分ける。 再現性をよくするためにはここまできちんと測らないとダメな模様。

測り取ったホットリカーの中に麦芽を入れていく。

デコクション開始。 マッシング釜から35%をデコクション釜に移す。

デコクション中の温度。 右がデコクション釜、左がマッシング釜の温度。 それぞれ70±1℃、65±1℃に保つようにしている。

デコクション釜からマッシュ釜に戻す。
100℃で5分レストを置いたデコクションを元のマッシュ釜に戻します。 この作業は熱くて危険と言うことでインストラクターの方がやってくれました。 マッシュに戻した後は78℃でマッシュ・アウト。 練りに練られた体験教室のレシピだから、デコクションを戻してかき混ぜるとマッシュ全体が78℃ピッタリに落ち着くのかなと思っていたのですが、さすがにそこまではうまくいかず、少しコンロを点火して78℃まで全体の温度を上げました。 この状態で5分間保持して、続いてロータリングに移りました。

ロータリングに使われる器具は手製の特殊な器具でした。 透明のアクリルでできたかなり縦に長い容器で、麦層の様子が良く見えるように工夫されています。 写真に写っている下の黒いボルトを外すと、ロイター板を外すことができるようになっていてメンテナンスもしやすくなっています。 そして何よりも素晴らしいのは、縦に長い構造のため麦層形成が非常にしやすくなっていることです。 写真は鍋からマッシュを移してしばらく経った時点での状態ですが、すでにキレイな層ができ始めていました。 この後、チューブポンプを使ってロータリングしたのですが、数分のロータリングで非常にキレイなワォートが取れました。

チューブポンプを使ってのロータリングはやはりラクチンでした。 ここで使われているチューブポンプはかなりの高級品のようですが、安物でも良いからひとつ手元にあるとかなり便利に使えそうです。

しばらくロータリングをしてワートがキレイになってきたらチューブポンプの出口部分を煮沸鍋に移し、ワォートが煮沸鍋に貯まるように切り替えます。 ここで取れた一番麦汁は参加者全員で味見ができるよう、一部をグラスに入れてテーブルの上に置かれます。 ここで使われるグラスと最後に使われる比重計がこの体験教室でつかわれるガラス製品だと思われます。 他のグループのピルスナーも味見をしてみましたが、自分のグループのワォートが一番糖度が高かったように思いました。 とは言っても最終的に初期比重を調整するので、でき上がりは一緒のビールになるのではないかと思われます。

一番麦汁がだいたい取れ終わったところで、一番ホップを投入しました。 普通は煮沸が始まってから投入するものだと思っていたのですが、スパージングをする前に投入する方法もあるようです。 工場では一般的にやられている方法だそうで、この方法を取ることでホップのユーティリゼイションが数パーセント向上するとのことです。 数パーセントとは言っても工場だと何百キロ、何トンという単位になるでしょうから、かなりのホップの節約になっていると思われます。 デメリットについては良くわかりませんがきっと何かあると思われます。

ここまでで午前中の実習が終了しました。 二番麦汁を取ることと、煮沸を続けることはインストラクターの方に任せて、参加者は昼食会場へと向かいました。

ロイタータンに移されたマッシュ。キレイな麦層ができている。
(クリックで拡大)

各グループでできたワォートを味見できるようにテーブルに並べる。

ホップ投入式。まだ濾過は続いています。
40回目の誕生日を迎えました。 お祝いよろしくです。
9月29日(月) 【体験リポート】
item ビールづくり体験教室
キリン横浜ビアビレッジで開催されているビールづくり体験教室に参加してきました。
ビールづくり体験教室のサイトによれば、この教室は2003年4月2日より開催されており、今年で丸5年を迎えたそうです。 今回は(正確な数字は忘れましたが^^;)第6xx回目だそうで、もうすぐ700回記念となるようです。
この教室に参加するためにはハガキかインターネットで申し込み、抽選で当たらなければ参加できないそうです。 この抽選が10倍くらいと高いらしくなかなか当たらないようですが、ラッキーなことにある方のご好意で連れていってもらえることになりました。 この場をお借りしてお礼とさせていただきます。 ありがとうございました。

一日のスケジュール
9:30にキリン横浜ビレッジに集合と言うことだったので、自宅を7:00過ぎに出発。 予定では2時間弱で着く筈だったのですが、電車に乗ってすぐに震度4の地震が発生したために電車は徐行運転に切り替わりました。 このままでは間に合わないかも知れないと思いながら電車に揺られながらもなんとか9:10過ぎに生麦駅に到着。 そこから10分程歩いて何とかギリギリで間に合いました。 ロビーにはすでに下野さんご夫婦とキリンの営業マンの方二人が到着していました。 軽く挨拶をして、早速オリエンテーションをする会場へと向かいました。

オリエンテーション会場入り口で受付を済ませ、中に入るとすでにいくつかのグループの方々が到着していました。 一度に体験できるグループ数は5グループ。 各グループ6人程度なのでトータルで30名くらいの人が同時に体験できることになります。 しばらく待って、全グループがそろったところでいよいよオリエンテーションが始まりました。 講師は藤木さんという方で、このビール教室を立ち上げた中心人物だそうです。 広報にもいた方だそうで非常に話もうまく、約一時間の講義もあっという間に終わってしまいました。

講義が始まってまず最初にやったことは各グループで作るビールを決めることです。 教室で作ることのできるビールは「ボックタイプ」「ピルスナータイプ」「黒タイプ」「赤タイプ」の四種類。 この中でどれかひとつを選ぶわけですが、それぞれのビールの特徴については「コク」「苦味」「甘味」「アルコール」の四つのパラメータについて☆印の数で比較して解説していました。 ☆印の数が妥当かどうかは別にして、ビールのことを全く知らない人には分かりやすい記述方法かも知れませんが、あまり客観的な記述方法ではないように思いました。 これを見ると☆の数が一番多い「ボックタイプ」が一番人気と言うことが何となく理解できます。

我々のグループは「トリプルデコクションができるのではないか」という理由で「ピルスナータイプ」を選びました。 しかし、後の解説で全てのビールが同じマッシュスケジュールで行われることを知ってちょっとガッカリしました。 時間内に全てを終わらせないといけないのですから当たり前と言えば当たり前ですね。

最終的に「ピルスナータイプ」が3グループ、「ボックタイプ」が2グループとなりました。 「黒タイプ」「赤タイプ」が無かったのがちょっと残念でした。

作ることのできるビール。 縦軸、横軸に意味があるのかは不明。 写っているのが講師の藤木氏。
(クリックで拡大)

各班が作るレシピがこんな感じで決まりました。 通常だとボックが一番人気だそうです。
さて、作るビールが決まったところでさらに講義は続きます。 ここの読者には細かい講義の内容はどうでも良いことだと思うので省きますが、面白かったのは「ビールづくり体験教室と酒税法」という項目があったことです。 今回はあくまでもキリンビール横浜工場の醸造免許を使って作るもので、個人での醸造は禁止されていることを解説していました。 この件については税務署からの指導があったのではないかと推測されます。 また、同時に再販についての話も出たのですがこちらはさらりと流しただけでした。
ビールづくり体験教室と酒税法
明日以降に続く…
9月24日(水)
item ほとんど売り切れ
beertownによれば10月9日〜11日に行われるGreat American Beer Festivalのチケットがほとんど売り切れてしまったそうです。 サイトによれば唯一残っているのが9日(木)のセッションだけで、それでも77%売れているとのことです。
item Zymurgy 9/10月号
ちょっと前ですが今年のスペシャル・エディションとなるZymurgyの9/10月号も出ています。 以下Featuresから。
  • Hop Crisis? What Hop Crisis? by Matt Brynildson
    The award-winning brewmaster of Firestone Walker offers his perspective on how to get more hop character into your beer without neccessarily adding more hops.
  • Brewin' Sown the Haus in Zinzinnati by Jill Redding
    More than 950 homebrewers converged on Cincinnati for the American Homebrewers Association's National Homebrewers Conference June 19-21.
  • Winners Circle by Amahl Turczyn Scheppach
    Meet the big winners of the American Homebrewers Association's National Homebrew Competition and try your hand at brewing the winning recipes from 28 categories.
  • Relax and Have a Homebrew by Jamil Zainasheff
    An Award-winning homebrewer shares his perspective on two different approaches to the homebrewing craf, and how he managed to find a happy medium.
  • Secrets of Brewing ESB by John Keeling
    The brewing director of Fuller, Smith and Turner in England shares the secrets to brewing a great Extra Special Bitter, plus the recipe for Fuller's ESB.
item BYO 10月号
すでに二週間くらい経ってしまいましたがBrew Your Ownの10月号も出ています。 表紙には``GREEN BREWING''と大きく書かれており、オーガニックビールのレシピや地球環境と出費に配慮したアイデアが掲載されています。 以下Featuresから。
  • Anatomy of a Commercial Clone by Betsy Parks
    Take a look inside the process of making a clone beer kit. We ask commercial kit producers---and the brewers of the beers they cloned---how they formulated the recipe and produced the kit.
  • Green Brewing by James Spencer
    How would you like to brew some beer, save some money and save the planet to boot? Learn how to reduce, reuse and recycle on brewday. As you'll see, it can be easy (and economical) being green.
  • Organic Beer Clones by Clenn BurnSilver
    These days, organic beers seem to be multiplying. What's an organic beer and why do some breweries see organic brewing as the wave of the future? Find out, plus check out the recipe for six commercial clones.
  • The Dar Side of Partial Mashing by Chris Colby
    Partial mashing combines much of the flexibility of all-grain brewing with the convenience of brewing on your stovetop. But, there's a dark side. Find out the problem of---and the solution to---low pH values in dark partial mashes. Plus: Seven roasty recipes to light the way.
ガキに予備のメガネまで壊されました。 コンタクトレンズだと近くが見えにくくて辛いです。 すでに老眼か?