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赤:休刊予定日
黄:特別配信


北陸のブルワリースペシャル
いきいき地ビール] [Heart & Beer 日本海倶楽部] [宇奈月麦酒] [銀河高原ビール〜飛騨高山工場
12月28日(金) 《北陸のブルワリー》 Part 3[12月24日見学]
item 宇奈月麦酒
北陸紀行も最終日を迎え、富山県にあるもう一つのブルーパブ「宇奈月麦酒館」を訪ねました。
(写真をクリックすると640x480または480x640に拡大されます。)





氷見から富山を通り過ぎ、国道8号線をしばらく行くと宇奈月温泉の看板が出てきます。 ここから山の方に入って北陸道・黒部ICを通り越し、しばらく行くと右手に『宇奈月麦酒館』が現われてきます。 ここは「道の駅・うなづき」にもなっているのですぐにそれとわかりました。 入るとすぐにお土産ものを売っているコーナーがあり、その一角にビール造りの説明書きがありました。 この説明書きの向こうにガラス越しに醸造システムを望むことができます。 ここでは二階からもガラス越しにシステムを望むことができます。 この写真を見てわかる通り、煙突はイミテーションで実際は別のところから蒸気を飛ばしているとのことです。 説明書きによればこちらでは遠心分離型のフィルターを使っているそうで、実物を見てみたかったのですが、残念ながら工場見学は行っていないとのことで見ることはできませんでした。 帰り際にレジにいた支配人らしい人に少々話を伺ったところシステムは1000リットル仕込みだそうです。 お土産コーナーの反対側にレストランの入り口があります。 レストランはかなり広く、200席以上はあるかと思われます。 ここからは醗酵タンクをガラス越しに見ることができますが、カウンターの奥にあるのであまり近づくことはできませんでした。 昼時はランチ・バイキングのみの営業で、サンプラー付きで一人1,800円程度でしたが、ビールだけが目当ての場合は、昼時を外したほうが良いかも知れません。 出されたビールはレギュラー二種(ケルシュ、アルト)と季節醸造ビールで、行ったときにはボックが提供されていました。 以下にテイスティングノートを掲載しますが、全体的にあまり良い印象はありませんでした。 ケルッシュ…香り弱い。少々DMSか。飲むと少し酸っぱい感じ。
アルト…ほのかにトースト香。若干スモークの様な感じもある。
ボック…香り弱い。少々酸味あり。バランスが良くない。
モルティング設備
各テーブルに置いてあったビールの説明によれば、「宇奈月産大麦を使用」と書いてあり、非常に気になっていました。 話を伺ったところ、何とこちらでモルティングもしているとのことで、そのモルティング工場が敷地内にあるとのことでした。 さっそく外に出て裏手に回るとそれらしきものがありました。 入り口には『宇奈月麦芽館』の文字があり、間違いありません。 しかしこちらも見学はできず、仕方なく外から眺めるだけになってしまいました。 モルティングを行っていそうな所に付いている窓には黒いフィルムが張ってあり、あまりよく中は見えませんでした。 この写真はシャッタースピードを最低にして撮ったものです。 実際にモルティングは行われていないようでしたが、棚の上にすだれが敷かれており、このうえでモルティングを行うように思えます。 話を伺ったときには、地元のモルトを使って造っている地ビールが全国でも数軒あるらしいのでモクモクファームとかそうですよね?)、そういう所では同様な設備を持っている可能性がありそうです。 何はともあれ、長年の謎であった「地元産の大麦はどうやってモルトにするか?」という疑問にひとつの解答が得られたことは何よりでした。


データ〜『宇奈月麦酒』〜
  • 住所:富山県下新川郡宇奈月町下立687
  • 電話:0765-65-2277
  • ホームページ: http://www.fitweb.or.jp/unabeer/
  • 製造ビール:ケルッシュ、アルト、季節限定(春:ヴァイツェン、夏:ピルス、秋:デュンケル、冬:ボック)
  • メモ:第三セクターの経営。モルティング施設まであり地元の大麦を一部使用している。フラッグシップはケルッシュ。
item 銀河高原ビール〜飛騨高山工場
飛騨高山経由で帰ったので、銀河高原ビールに寄りました。
(写真をクリックすると640x480または480x640に拡大されます。)


当初の目的は高山のマイクロブルワリーに行く予定でしたが、事前の下調べを全くしていなかったため、目的地にたどり着くことができませんでした。 そんなとき、銀河高原ビールの看板が目に留まり、「大手でも現地でしか飲めないものがあるかも」との期待から訪問してみることにしました。 中に入るとさすがに大きなシステムでした。 ホームページによれば年間最大10,000キロリットル製造可能とのことで、マイクロではないという意味が良くわかります。 ギフトショップもかなり広く、オリジナルグッズを始め地元の特産なども置いてありました。 そんな中で、スタウトがあるのを発見しました。 さっそく飲んでみようということになりましたが、時はすでに遅し、レストランの営業は終了とのことでした。 せっかくなので、ビンのスタウトを買って高速のサービスエリアでテイスティングしてみました。 以下ノート 銀河高原スタウト…ロースト麦芽の香り良し。泡もきれい。デキストリンの甘みが割とあるが後にほとんど残らないのでしつこくない。どちらかというとスィート・スタウト。 どうやら飛騨高山近辺にはいくつかのマイクロブルワリーがあるようなので、次回はスキーがてら、飛騨高山近辺を回ってみようという話で幕を閉じました。
参加者募集したら誰か来るかなあ?
データ〜『銀河高原ビール〜飛騨高山工場』〜
  • 住所:岐阜県高山市新宮町3369
  • 電話:0577-35-3411
  • ホームページ: http://www.ginga-beer.co.jp/
  • 製造ビール:ヴァイツェン、ピルスナー、スタウト他
  • メモ:年間最大10,000キロリットル(リットルじゃない!)造れる施設。レストランも800席あるらしい。ここは売却されるのでしょうか?
ガラス越しにしか見られない工場では偏光フィルターが必需品だな。
12月27日(木) 《北陸のブルワリー》 Part 2[12月23日見学]
item Heart & Beer 日本海倶楽部
氷見まで行ったついでに能登半島の先の方にあるブルワリーにも寄りました。
(写真をクリックすると640x480または480x640に拡大されます。)



氷見から能登半島を二時間近く北上した内浦町という所にこのブルワリーはあります。 日本海の景色がキレイで夏は観光客で賑わいそうな道路でしたが、さすがに冬ということもあり地元の人以外はほとんどいない感じでした。 内浦町に入ると「日本海倶楽部」の看板が出てくるので、それに従うと難なくたどり着けました。 自動車から下りるとすぐ目の前にブルワリーがあります。 写真の中央辺りが入り口で右手がビール工場、左手がレストランという構造になっています。 ちょうど入り口に向かって立つと背後に日本海が広がっています。 建物が建っている場所が小高い所なので景色は最高です。 こちらでは残念ながらブルワリー見学はできず、入り口を入ってすぐにある醸造釜と右手にある醗酵タンクの一部が見えただけでした。 大きさから想像するに1000リットル程度のシステムのようでした。
レストランにビールラベル
さっそく中に入って昼食です。 店内は30人も入れば満席というくらいの広さで、「観光シーズンにはこんなのでやっていけるのか?」と思わせますが、ちゃんと二階席も用意されていました。 しかしながら、さすがにシーズンオフらしく、二階は使われていませんでした。 訪ねたときはちょうどクリスマスということもあってか、飾り用のケトルにもそれらしい装飾が施されていました。 レストラン内の壁には世界のビールのラベルが額に入れて飾れており、ちょっとしたラベル博物館になっています。 ラベルはヨーロッパのものがほとんどで、よく見るものからあまり見たことの無いものまで数多く展示されていました。 二階席にも違ったラベルが展示されており、全部で30点くらいはあるのではないかと思われます。 また展示しているコレクションも時折変わるそうです。 ビールは全部で三種類ありました。 ケルッシュ、アルト、ヴァイツェンと最もありふれたラインナップでビールの面白みという点ではいまいちです。 以下テイスティングノートより抜粋。 ピルスナー…特徴のある香り。DMSが結構あり、それに加えて良くわからない香りがする。飲むとその感じがいっそう強くなる。若干ハーシュ。
ダークラガー…強烈なロースト香。ちょっと強すぎ。オフフレーバーは感じられないが、マスクされているだけかも。
ヴァイツェン…クローブ香弱し。ピルスナーと似た香り。濁っていて見た目はヴァイツェンだが、ヴァイツェンのキャラクターは弱い。




外の風景


あまりビールとは関係ありませんが、外にはエミュなどの動物が飼育されていました。 レストランではエミュ肉を使ったメニューがあるのですが、ここで飼育しているエミュを使っているのではなく、輸入したものを使っているそうです。 また、売店もありました。 シーズンオフで閉まっていましたが、シーズン中は外で潮風にあたりながらビールを飲むこともできるようです。
データ〜『ハート&ビア日本海倶楽部』〜
  • 住所:石川県珠洲郡内浦町字立壁92
  • 電話:0768-72-8181
  • 製造ビール:ピルスナー、ダークラガー、ヴァイツェン
  • メモ:能登半島のかなり先の方にあるため、なかなか行くのが大変。特に素晴らしいビールと言うわけでもなかったので、ここだけを目当てに行くのはちょっと意味がないかも。
明日は北陸編最終日の予定です。 レギュラー更新はたぶん来週からになってしまいますm(_ _)m
12月26日(水) 《北陸のブルワリー》 Part 1[12月22日見学]
item いきいき地ビール
今旅行の最大の目的地である富山県氷見市にある「いきいき地ビール」を訪れました。
(写真をクリックすると640x480または480x640に拡大されます。)




国道160号線を高岡から氷見方面に向かい、氷見市に入るとすぐに「いきいき地ビール」の看板が出てきます。 その看板に沿って旧道に入り、少し高岡方面に戻ると大きな看板が出てくるとそこが入り口です。 そこから見上げると小高い丘の上にあるブルーパブが確認できます。 建物は一階にビール工場、二階にレストランという構造になっていますが、下から見上げると一階部分は木に隠れてしまって見えないので写真でも二階のレストラン部分しか写っていません。 到着してすぐに工場の中を案内してもらいました。 工場に入るとすぐに醸造設備が置いてあります。 こちらでは一度の仕込み量が1,500リットルのシステム(ドイツ製)を使っているとのこと。 写真は左側がマッシュタンで右側がボイル用ケトルで、左側は二層構造になっており、下層ではスパージング用のお湯を沸かすのに使うそうです。 マッシュタンはスパージングもできるような構造となっておりフォールス・ボトムが敷いてあるのですが、洗浄のために取り外せるような構造となっていました。 こちらの写真がフォールス・ボトムを外した写真です。 もう一つこのシステムで特徴的だと思われるのはボイル・ケトルがワールプールを兼ねている点です。 こちらの写真はボイル・ケトルの内部を取ったもので、太いパイプが二本出ているのが見えます。 煮沸が終わるり右側のパイプからワォートが出るようにポンプを回すことで、ケトルがワールプールに早変わりするという仕組みになっています。 (ちなみに右のパイプはマッシュタンからのワォートが入ってくるパイプで、ワォートが空気に触れにくいように出口が壁側を向いている。) このシステムではワォートを移送する手間が省けるため、非常に短い時間でワールプールを終えることができるようです。 こちらではボイル終了後平均35分程度で終了するとのことです。 このためホップアロマを良く残すことができるようです。
色々あるパッケージング機
こちらのシステムで一番見たかったもののひとつに缶詰め機があります。 缶詰め機は瓶詰め機に比べると非常に高価だということで、地ビールメーカーで缶詰め機を持っているところはあまり無いようです。 缶詰めは光による劣化が無いので良いことばかりかと思っていたのですが、話を聞くとそうでもないとのことでした。 特に、全てが機械任せなのでちょうど良い状態で缶のシールがされるようにビールの圧力を調整が難しいそうです。 缶詰め開始時にちょうど良い状態に合わせていても数時間機械を動かしているとビール炭酸圧が微妙に変わり、シールのタイミングが狂ってくるそうです。 少し缶詰めに対する認識が変わりました。 瓶詰めは良くある手動式のモノを使っているそうですが、一リットル容器を使う場合はこちらの瓶詰め機を使うそうです。 ホームブルワーのように栓は手動でやるそうで、たまにビンが欠けたりすることもあるそうです。 ビンの殺菌にはこちらの装置を使っているそうです。 左手にあるケグか寸胴の様なモノの中で煮沸殺菌をした後、右手にある装置にビンを逆さにして入れ、酸性水で殺菌しているとのことでした。 順序が前後しましたが、醗酵タンクは4基で、貯酒タンクが6基あるそうです。 造っているビールは全て酵母入りのため、ラガーリングとカーボネーションを同じ貯酒タンクで行っているとのことでした。 夏場にフィルターをかける場合の時だけ、別のタンクに移してそこからパッケージングを行うそうです。


クリスマスディナー





夕方からは『飲み放題・食べ放題』のクリスマスディナーが催されました。 飲み放題のビールは海洋深層水を使った「めざめる」とこのディナーのために造ったというクリスマスエール「メモリー」でした。 富山県では海洋深層水を売り出そうと頑張っているそうで、これとコラボレートした形で「めざめる」を仕込んだそうです。 オリジナルスタイルとのことですが、無理やりカテゴライズすればダークラガーに分類されるでしょうか。 若干DMSが感じられたのは、海洋深層水自体がだいぶDMSを含んでおり、これをそのまま入れているとのことなのでそこから来るのではないかと思います。 まだ第一回を造っただけとのことなので、次回は色々と改良して仕込むとのことでした。 「メモリー」はアルコール度が9パーセント(ビンには8パーセントと書かれていたので聞き違いか?)の強いビールです。 通常1,500リットル仕込むところをスパージングなしの500リットル弱で仕込んだというとてもお金のかかっているビールです。 10月に仕込んだと言うことでまだ若い感じがしましたが、こちらも酵母入りと言うことなので、このまま寝かせるとかなり良いビールになるのではないかと思います。 その他松本さんの計らいで、飲み放題には出ていないレギュラービール四種をいただきました。 以下テイスティングノートから。
ピルスナー…ホップがかなり(IBU 40!)効いている。アロマも強い。デキストリンの甘みも残っておりホップとのバランスがよい。
スモーク…スモークの香り弱い。けど飲んでみると結構効いている。若干渋みあり。
コロン…ケルッシュの色が濃いバージョン見たいなもの。香りはほとんど無い。デキストリンの甘みも少しある。
エール…トースト香がよい。ホップのアロマは無し。チェコ産のホップ(銘柄は秘密)を使っているそう。
データ〜『いきいき地ビール』〜
  • 住所:富山県氷見市小竹8-1
  • 電話:0766-91-8200
  • ホームページ: http://www.iki-iki.co.jp/
  • 製造ビール:ピルスナー、コロン、スモーク、エール、めざめる(海洋深層水を使ったエール)、クリスマスエール、他
  • メモ:海洋深層水を使ったビールを造るなど、地元とかなり密着した営業活動を行っているようで、氷見市内では容易に入手可能。フラッグシップはピルスナー。
体重計に乗ったら3〜4kgも増えていました。